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遠藤小児科医院 | アイチケット広場 (paa.jp)

お知らせ
​育児について

 育児において大切なことは、少しでも母親・父親が楽しくストレスなく育児をできることだと思います。

 あまり真剣になり過ぎてより完璧な育児を求めると、それだけ目標が高くなってそれを行うのが辛くなり、大きなストレスを生じます。育児とはかなり許容範囲の広いもので、余程変わったことでもしなければあまり問題ないと思います。少し手を抜いても何も問題ないので、少し育児がしんどいなと感じたら、それほど重要でないことはやらないで少し手を抜いて少しでも負担を軽減した方がいいと思います。何か悩むことがあったら、乳児健診のときなどいつでもぜひ小児科医に相談してください。

 

日頃乳児健診をしていると、様々な相談を受けます。よく相談を受けることについて私なりの考えを書いてみたいと思います。

 

1、生後2か月~4か月のお子さんがずっと泣くので毎日ずっと抱いていなければならず他の事が何もできない

 ずっと抱いてあげているのは、お母さんよくがんばっていますね。でも、ずっと抱いていると、家の仕事も何もできないので大変ですね。お腹が空いていたりおむつが濡れていたり部屋が暑すぎたりしなければ、あるいは普段と違う泣き方をしたりしていなければ、ミルクはいつも通り飲んだりしているのに泣いているのであれば、それほど問題ないかもしれません。家の仕事でやらなければいけない事があればそれを先に行って、少しゆとりができてから抱っこしてあげればいいと思います。赤ちゃんは、抱いてほしくて泣いているのかもしれませんが、泣く度に抱いていると家の仕事が何もできなくなってしまいます。抱いてほしくてすぐ泣く赤ちゃんになっているかもしれません。家の仕事は、子育て中はなるべく手抜きでけっこうです。育児と家事を両方完璧にやるのは無理ですので、手を抜けるところはなるべく手抜きしましょう。4か月ぐらいになって、首がかなりすわってきたら、おんぶしてあげるのもいい方法です。おんぶしながら、いろいろ家事ができますから。実際、保育園で育っている赤ちゃん達は、そんなに抱っこしてもらえませんが、家で育ったおこさんと保育園で育ったお子さんで、その後の様子に特に違いがないというデータがあります(☆参照)。もちろん、両親の愛情が大変重要なことは間違いありませんが、ご両親がその気持ちを持って余裕のあるときに赤ちゃんにその気持ちを話しかけたりして伝えていれば十分だと思います。

☆アメリカでの調査ですが、1300人以上の子供たちを20年以上追跡したところ、母親が育児に専念するか働くかで、子供の育ちに決定的な違いはありませんでした。

 

2、生後8か月~10か月のお子さんがなかなか離乳食を食べてくれず、体重が思うように増えない

 まず最初に、体重を小児科で測ってもらって体重のこれまでの経過を見てもらうといいと思います。大きなお子さん、小さなお子さんがいますので、けして真ん中だけが正常ではありません。小さいながらもその子なりに増えていれば問題ないことがほとんどです。母子手帳の中に身長・体重曲線があるので、お子さんの身長・体重を記入するとこれまでの経過がよくわかります。小さいながらも色のついた正常の中に入っており曲線に沿って増えていればあまり心配いりません。

 小柄な小さいお子さんは、なかなか離乳食を食べてくれない子も多いです。食べたり食べなかったりすることも多いです。1日トータルで、あるいは1週間トータルでそこそこ食べていれば、問題ないことがほとんどです。食の細い子に無理に食べさせようとすると、かえって食べるのを嫌がる子になってしまうこともあります。そこそこ体重が増えていれば、それでいいと思ってください。もちろん、お子さんにとって栄養は重要です。食べる量が少ないお子さんでも、少ないながらに栄養のバランスを考えて、豆腐・さかなや肉などの蛋白質、お米や小麦などの炭水化物、やさいやくだものが必要です。お母さんが一生懸命作ってもお子さんが食べてくれないとがっかりすると思います。お母さんよくがんばっていますね。でも、市販のベービーフードを使ったり、10か月頃になったら大人が食べる食事を薄味にして小さく取り分けてお子さんにあげることも可能です。手を抜けるところは、少し手を抜いても大丈夫です。            

​症状について

1、発熱について

 こどもでよくみられる症状のひとつですが、いわゆる風邪による発熱なら41度までなら脳などの体に障害を起こすことはありません。熱は病原体と闘っているあらわれであり、免疫力を強くし治す働きもあります。無理にさげる必要はありません。

 

発熱への対処のしかた

 熱があるときには水分摂取が少なくなり脱水を起こしやすいので、こども用のイオン飲料などをなるべく飲ませましょう。

 こどもがいやがらなければ、頭、わきの下や股の付け根を冷やすことも良い方法です。

 

解熱剤の使い方

 解熱剤は、お子さんが38.5度以上の熱がありつらそうなときには使ってもかまいませんが、1日につき6時間以上あけて3回までにしてください。ただし、用いてもあまり熱が下がらないこともあります。生後6ヶ月未満のお子さんでは低体温になることがあり危険です。

 

注意すべき発熱について

 生後4ヶ月以内の発熱

 けいれんや意識障害を伴う発熱

 水分を全く受けつけず、ひどくぐったりしている発熱 

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2、下痢について

 日常よくみられる下痢は、風邪にともなって起きるものやウイルスや細菌が腸に感染して起きるもの(急性胃腸炎)がほとんどです。

 

下痢への対応

 乳児期のこども

 離乳食は一時中止して、母乳やミルクはそのままの濃さで、薄めずにあげてください。下痢がひどい場合には、半日から1日はこども用のイオン飲料、ほうじ茶、麦茶や湯ざましをあげて腸を休ませることもよいことです。脱水にならないよう下痢をしていても水分は十分にあげてください。

 幼児期のこども

 最初の日は、おかゆ、うどんやおじやなど炭水化物中心で、1-2日たったら卵、とうふや白身のお魚などの蛋白質や煮た野菜などをあげてください。下痢がひどい場合には、半日から1日はこども用のイオン飲料、ほうじ茶、麦茶や湯ざましをあげて腸を休ませることもよいことです。脱水にならないよう下痢をしていても水分は十分にあげてください。ミルクや牛乳は、下痢しているときには消化しずらくなるので幼児期のこどもにはあげないでください。

 

注意すべき下痢について

 嘔吐と下痢が頻回で水分を全く受けつけず、ぐったりしているとき

 便に血液が混じるとき

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3、嘔吐について

 嘔吐は様々な原因により起こりますが、日常多くの場合は風邪に伴った消化器症状としてみられたり胃腸にウイルスや細菌が感染した急性胃腸炎の症状としてみられます。

 

嘔吐への対処について

乳児期のこども

 吐き気が強いときはミルクは一時止めて、こども用のイオン飲料、ほうじ茶、麦茶や湯ざましを少量頻回にあたえます。30分毎50ml位ずつあたえてください。それでも吐く場合には5分毎5-10ml位ずつあたえてください。吐くのを恐れて全く水分をあたえないと次第に脱水になってしまいますので少しずつ分けて十分にあたえてください。半日から1日たって吐き気が少しずつ落ち着いてきたら、母乳ならそのままでミルクなら3分の2にうすめるか、薄めず普通の濃さで再開してください。

幼児期のこども

 吐き気が強いときは食事は止めて、こども用のイオン飲料、ほうじ茶、麦茶や湯ざましを少量頻回にあたえます。30分毎50ml位ずつあたえてください。それでも吐く場合には5分毎5-10ml位ずつあたえてください。吐くのを恐れて全く水分をあたえないと次第に脱水になってしまいますので少しずつ分けて十分にあたえてください。ミルクや牛乳は吐きやすいので止めてください。半日から1日たって吐き気が少しずつ落ち着いてきたらおかゆ、うどんやおじやから食事を開始して3-4日は消化の良いものをあたえてください。

 

注意すべき嘔吐について

 長時間頻回に嘔吐を繰り返し、水分を全く受けつけずぐったりしたとき

​病気について

1、ノロウイルス・ロタウイルスについて

 ノロウイルスは、あらゆる年齢の方に胃腸炎を起こすウイルスです。ロタウイルスは乳幼児、とくに乳児がひどくなりやすい胃腸炎を起こすウイルスです。ノロウイルスは11月から12月にかけて特に多く、ロタウイルスは1月から3月にかけて多い、日常よくみられる胃腸炎のウイルスです。
主な症状は、病初期に嘔吐で始まり、その後下痢や腹痛を起こすことが多いです。ノロウイルスは下痢より嘔吐がひどい傾向があります。ロタウイルスは、嘔吐より下痢がひどいことが多いです。発熱を伴うこともよくあります。ノロウイルスは、ひどくなることはまれです。ロタウイルスは、時にひどい下痢で脱水がひどくなり状態が悪くなることがありますので、注意が必要です。頻回の下痢で具合が悪そうな時は、早めに受診してください。ウイルスを診断するキットはありますが、どのウイルスでも基本的な対応は同じですので、通常ウイルスの診断は必要ありません。
 対応としては、何といっても親の看護が重要です。経口補液であるOS-1や薬屋さんで売っているこども用のイオン飲料を、吐かない程度の少量に分けて頻回に与えることが重要です。具体的には、最初は小さじ一杯5分毎、少し吐き気が落ち着いてくるようなら次に大さじ一杯10分毎、それでも大丈夫そうなら30分毎50ml与えてください。このように頻回に丁寧に与えても、何回も吐いてぐったりするようでしたら、ときに点滴が必要になることもあります。ただ、多くの場合は点滴を必要とせず、丁寧な経口補液で良くなることが多いです。半日から1日たって状態が落ち着いたら、下痢をしていてもOKですのでミルクや消化の良い離乳食を再開してくだい。絶食期間が長いと、逆に胃腸に栄養がいかず下痢が長引きます。
  ノロウイルスは、特に感染力が非常に強く、嘔吐物の処理が重要です。処理する際は、窓をあけ、マスク・使い捨て手袋・エプロンを着用したうえで、ペーパータオルで嘔吐物を集め、ポリ袋に密閉して捨ててください。拭き取った後は、ハイター・キッチンハイター(ワイドハイターは不可)などの次亜塩素酸ナトリウムが成分の漂白剤を0.1%に薄めた液に浸み込ませたペーパータオルで浸すように拭いて、最後に水拭きしてください。ロタも、対応は同様です。具体的には、ペットボトルのキャップ2杯のハイターを空の500mlのペットボトルに入れて水で500mlにしてください。ノロウイルスでもロタウイルスでも、おむつ替え・トイレのあとは、石鹸を用いて流水でよく手洗いしてください。

2、インフルエンザについて 
 インフルエンザは、AとBがあり、Aには新型、ソ連型、香港型の3種類があります。

 症状は、高熱、全身のだるさ、からだの痛みや咳を示します。ひどいと高熱は5-7日位続きます。お子さんによっては、幻覚や異常行動を起こすことがあります。合併症としては、肺炎・脳症があり、重篤化して亡くなることがまれにあります。

 診断は、流行状況や症状をもとに、インフルエンザ迅速試験により診断します。ただし、この検査は、発症初期数時間は、たとえインフルエンザであっても陰性のことがよくあります。12~24時間以上たつとかなりの割合で陽性になります。

 治療は、 抗ウイルス剤としては、タミフル(経口薬)とリレンザ・イナビル(吸入薬)があります。リレンザ・イナビルは5歳以上のおこさんに使用できます。これらの薬の効果は、発熱期間を1日短縮する効果があります。発熱して48時間以内に使用しないと効果は期待できません。脳炎の予防および軽症化の効果については、全くデータがありません。これらの薬の副作用としては、まれに幻覚、異常行動や肝機能障害をきたすことがあります。咳や熱に対して、つらい症状を抑えるため咳止めや解熱剤を使います。解熱剤は、アセトアミノフェン(カロナール、アルピニー坐薬など)やイブプロフェン(ブルフェンなど)は使えますが、その他のメフェナム酸(ポンタールなど)やジクロフェナックナトリウム(ボルタレンなど)は脳症との関連が言われているので使用しないでください。
★インフルエンザにおいては、異常行動を起こすことがあるので少なくとも2日間はお子さんが一人にならないようにしてください。

 登園・登校は、小学生以上では発症後5日間を経過しかつ解熱後2日間たってから、乳幼児では発症後5日間を経過しかつ解熱後3日間たってからとなります。罹ったお子さんは、ほかの家族から十分に隔離してください。また、同居家族は、仕事・通学・通園は通常通りで結構ですが、不必要な外出は控えてください。微熱がでたらかかった可能性がありますので、外出はやめて熱が上がるようでしたら受診してください。ただし、インフルエンザの迅速診断キットは明らかな発熱後12~24時間たたないと陽性になりませんので、特に具合が悪くなければある程度たってから受診してください。

 インフルエンザのワクチンは、ワクチンの予防効果はおよそ50%-80%と考えられています。特に、重篤な合併症である肺炎・脳症についてはインフルエンザにかかることを予防することによって予防効果があると考えられます。他のワクチンは、治癒後1週間たったら受けることが可能です。

3、RSウイルスについて

 RSウイルスは、かぜを起こすウイルスの一つで乳幼児を中心に主に冬に流行します。2~3歳までにほとんどのお子さんが一度はかかる日常的な病気です。
 症状は、熱、はな、咳といったかぜ症状で始まり、ひどくなると咳がひどくなりゼーゼーして呼吸が苦しくなることがあります。特に1歳未満のお子さんでは、呼吸困難がひどくなり入院が必要となることもあります。1~2歳ぐらいまでは、時にひどくなることがありますが、それ以上のお子さんはあまりひどくなることは、通常ありません。 
 治療としては、特に特効薬はないのでたんがきれるくすりなどの対処的なものになります。症状の軽いお子さんは、一般のかぜの対応で十分です。
 RSの検査は可能ですが、症状が重要ですので咳がひどくゼーゼーして呼吸が苦しそうなおこさんが検査の対象となります。
 登園は、解熱して2~3日たって状態が落ちついたら可能です。

4、マイコプラズマについて

 マイコプラズマは、かぜを起こすウイルスのひとつですが、ときにひどくなり肺炎を起こします。3歳以降でかかりやすく、特に学童期によくみられます。乳幼児はひどくなることはまれです。
 症状は、咳と発熱です。軽いと少し咳のひどいかぜ程度ですみます。肺炎を起こすと高熱が何日も持続しひどい咳がひっきりなしにでます。
 肺炎の診断はレントゲンで行います。マイコプラズマの確定診断は血液検査でマイコプラズマの抗体が上昇するのを確認しますが、抗体が上昇するには1~2週間かかるので初期では確定診断できないことが多いです。また、のどを擦ってマイコプラズマを検出する方法があります。
 治療としては、マイコプラズマに効く抗生剤や痰のくすりを飲んでいただきます。症状の軽いお子さんは、一般のかぜの対応で十分です。
 登校は、解熱して2~3日たって状態が落ちついたら可能です。